2016年01月25日

冬色のキャンバス

寒さが厳しくなる一月下旬、湖は果てしなく広い雪原へとその姿を変える。

青森県では一番広い湖の小川原湖。
どこまでも続く真っ白で平らな雪野原の風景はどこか遠い異国の地を想像させてくれる。

漁師たちの話によれば、正月に大雪が降ればその冬は全面凍結になるというが、2015年の冬は雪も少なかったせいか、湖面も凍っては消え、消えては凍るという繰り返しでついに湖全体が凍ることはなかった。

そんな冬の朝、寒い中で景色の移ろいをじっと眺めていると、竿に架けた網に朝日が射しこみ行儀よく長い影を描いていった。

普段の生活で見かける「人間の目」ではこのような影は気づきにくいかもしれないが、「写真の目」でとらえると影は重要な被写体となることが多い。

果てしなく広がる雪や氷の冬色のキャンバスに、壮大に影を描く光景が見られるのはここだけかもしれない。

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【写真説明】
2015年1月21日7時27分  東北町 小川原湖中央桟橋付近
伸びる影をメインに広がりのある奥行感を出すため、脚立を使って少し高い位置から撮影した。

タグ:小川原湖
posted by Yasuji Nakano at 15:42| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年01月22日

まだら模様の朝

太陽が昇るころを見計らって小川原湖へ出かけてみた。
全面凍結には程遠く、凍っては融け、融けてはまた凍るという繰り返し。
もしかしたら今年も小川原湖全体が凍るということは無いかもしれないと感じるようになってきた。
この日、岸辺に張った氷の紋様が美しかった。まだら模様が朝の青い世界で美しく見えたので、しばらくその様子を観察しながら撮影した。

風景写真を撮影している光景を見た人の目には、のんびりと向き合っているように見えるかもしれないが、撮影している本人からすれば、刻一刻と変化するシーンにいつも緊張しながら向き合っている。

いつが一番いいシーンだったのか。それは撮影が終わってみないとわからない。
だから「今か、今か」とずっと待っているのだろう。

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2016年1月14日撮影
posted by Yasuji Nakano at 16:37| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年01月08日

綿帽子と影絵

4日4晩降り続いた雪。
今年の冬はいきなりやってきた。

夜明けの湖畔に立ち、この冬はじめて雪化粧した風景の中から辺りを探していくと、ふと立っている足元に目が行った。

漁師たちがシジミを採るときに使う「鋤簾」(じょれん)という道具。そこに降ったばかりのふかふかな雪が、大きな綿帽子をかぶったように横たわっている。そして道具の網状の部分に日が差して、独特な影を創っていた。

その影は空に浮かぶ雲に操られて薄くなったり、くっきりと現れたりしながら時を刻んでいった。私はしばらく様子を見守ることにした。

この小川原湖ではもう何万回ものシャッターを切ってきたが、それでもその時だけの感動的なシーンを前にいつも新鮮な気持ちにさせられる。それは二度と同じ光景は見られない絶対的なものであるからかもしれない。

この日、綿帽子と影がシャッターを切らせた。

DSC_0527.jpg


【写真説明】
2015年12月31日7時56分 東北町 小川原湖中央桟橋付近
雪の世界でも、どこかホッとする温かさを感じさせる写真が好きだ。どこに日が差していて、どこに影があるのか構図を考えながらベストなポイントを探して行った。
 
posted by Yasuji Nakano at 18:05| Comment(0) | 湖畔の夜明け


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