青森県では一番広い湖の小川原湖。
どこまでも続く真っ白で平らな雪野原の風景はどこか遠い異国の地を想像させてくれる。
漁師たちの話によれば、正月に大雪が降ればその冬は全面凍結になるというが、2015年の冬は雪も少なかったせいか、湖面も凍っては消え、消えては凍るという繰り返しでついに湖全体が凍ることはなかった。
そんな冬の朝、寒い中で景色の移ろいをじっと眺めていると、竿に架けた網に朝日が射しこみ行儀よく長い影を描いていった。
普段の生活で見かける「人間の目」ではこのような影は気づきにくいかもしれないが、「写真の目」でとらえると影は重要な被写体となることが多い。
果てしなく広がる雪や氷の冬色のキャンバスに、壮大に影を描く光景が見られるのはここだけかもしれない。
【写真説明】
2015年1月21日7時27分 東北町 小川原湖中央桟橋付近
伸びる影をメインに広がりのある奥行感を出すため、脚立を使って少し高い位置から撮影した。
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