撮影する景色を探しながら歩いていたら、夕方になってしまっていた。
傾きかけた太陽が八甲田の頂上に差し掛かったころ、湖が七色に染められそこに泊められていた船がひときわイキイキと目に映った。
茶褐色の水に光が差し込み、浮かび上がったようなこの光景は船に生命を与え、ゆらゆらと波が穏やかな紋様を描き、船もゆっくりと揺れる。日常の漁を終え、その疲れを癒すかのように静かに。
朝夕の景色は本当にドラマティックにしてくれる。が、それもまた走り去る時間とともに夜の闇へと消えていく。じっくり探さないと見逃してしまいそうな、その瞬間風景に昼間見ることが出来ないいろいろなドラマを想い描いているようだ。
タグ:船