2016年03月01日

新聞「夜明けの小川原湖」連載が終了

デーリー東北新聞「夜明けの小川原湖」への連載が無事終了し、肩の荷がおりてホッとした。

2015年12月から2016年2月までの毎週金曜日、計12回の連載だったが、実際に始まってみると思いのほか苦労したと感じた。
小川原湖の写真はこれまで撮りためてきたものがあったものの、
 1.似たようなシーンを避ける
 2.今現在の季節感があるもの
 3.新鮮な写真
という条件を自分自身で設定した。
新聞だから過去のお気に入り写真より、今撮影したばかりの新鮮な写真が良い。だから足しげく通ったが、当然のことながら自然条件が合わないとなかなか良い写真が撮れない。

そして記事の書き方でも、「文章の勢い」という点でいろいろと考えさせられた。やはり書き手に勢いがなければ、読むほうにも熱意が伝わらない。

なにはともあれ、読んでいただいた方々、そして今回の企画を応援していただいたデーリー東北新聞社や関係者の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。
とても良い勉強をさせてもらいました。

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タグ:新聞記事
posted by Yasuji Nakano at 08:20| Comment(0) | 日記

2016年02月29日

幻の朝焼け

2011年3月11日。あの大震災を目のまえにして、それまで見ていた地球上の山や川、海などの風景は決して永遠ではないということを思い知らされた。その時「自分に出来ることは何か」と自問自答し、今の風景を写真の記録として残せないだろうかと考えるようになった。

足元に目をやると小川原湖という青森県で一番大きな湖が広がる。写真のテーマとしてはあまり知られていない湖ではあるが、きっと自分でも気が付かない何かがあるはずだ。

そこで私は敢えて自分に試練を課してみることにした。
「この湖に一年間、もうこれ以上撮れない、という極限まで挑戦したら、いったいどんな写真が撮れるのだろうか」と。

2011年10月。私はそんな思いでまだ真っ暗な湖畔に一人じっと立ち、はじめての夜明けと向き合っていた。そして何度もなんども通っていくうちに、この湖だけが持つ魅力にすっかりとりつかれることとなった。

「知らなかった、小川原湖にこんな光景があるとは。」
遠い地平線の彼方から、神秘的に夜が明けていくその時空に飲み込まれ、時として宇宙空間を感じさせられるシーンとの出会いでもあった。

時が流れ、ふと気がつけば「一年間の限定」という自分に課した時間をはるかに超えて、私は今日も夜明けの小川原湖畔に立っていた。

■個展DSC_4071-2013-04-24.jpg

【写真説明】
2011年10月10日5時34分 東北町 小川原湖中央桟橋
湖面が鏡のように真っ赤に焼けた空を映し出し、立っている私は足元から頭の先まですっぽりとその世界にのみこまれてしまった。
まるで幻かと思わせるこの朝焼けは、後にも先にもこの時だけだった。
posted by Yasuji Nakano at 09:50| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年02月25日

消えた水平線

それは寒いというよりは、痛さを感じさせる朝だった。

真冬の夜明けの撮影にもようやく慣れたとは言え、この日の朝は経験したことがないような寒さだった。そのせいだろうか見慣れた小川原湖も、水平線は消えて湖面から煙が沸き上がるような見たことも無いシーンを創っていた。

湖面の雪も、輝く白い砂のようにサラサラとして、その光景を目の当たりにした私は我を忘れてカメラのファインダーに向かっていた。

ふと手元を見るとカメラが真っ白になっている。
初めての経験に頭が混乱したが、しばらくして自分の呼吸する息が凍ったものだと分かった。すべてが初めてのこの朝の経験に、私は心を奪われっぱなしだった。

撮影帰りの車にニュースが流れた。
「この朝、青森県は最低気温の記録を更新した」と。

手元の温度計はマイナス17度をさしていた。

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【写真説明】
2014年1月18日7時56分  東北町 小川原湖中央桟橋付近
今まで遭遇したこともない光景を目の前に、「落ち着け」と自分に言い聞かせながら必死の思いでシャッターを押した。
posted by Yasuji Nakano at 15:10| Comment(0) | 湖畔の夜明け


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