2016年02月03日

舞い降りた雲

小川原湖を何周もしたが、高い位置から湖面を見渡すことができる場所はかなり限定される。そんな中でこの湖畔橋からの景色は数少ない高い位置からの撮影ポイントであり、たびたびカメラを向ける人たちを見かける。

一月中旬、そろそろ氷が張るころと期待してその場所に行ってみた。だが岸辺にうっすらと雪が積もっただけで、湖面はまだ凍った様子も見られず私の期待は見事に裏切られた朝だった。

そもそも風景を撮るということは、自然現象をとらえることであって、自分の思惑どおりにはいかない。自分の目の前に繰り広げられる光景の中から、自分独自に感じとった絵を作っていかなければならないという基本的なことをつい忘れてしまう。

私は気持ちを建て直して、この場所でしばらく観察することにした。
時間が流れて太陽が昇りはじめたころ、突然水面に雲のようなものが現れた。
「け嵐」だ。
そしてそれは夜明けの太陽の光を浴びてだんだんと黄金色に輝き、まるで雲が水面に舞い降りたような独特な世界を創っていった。
なかなか見ることが出来ない突然の出来事を目の前に、私は全神経を集中してその世界に浸っていた。

DSC_0737-a2.jpg

【写真説明】
2016年1月13日7時9分  東北町 小川原湖 湖畔橋
突然現れた黄金色のけ嵐。地平線が消えて湖面と空が一体となるこのシーンは、予測しなかっただけに感動も大きかった。
posted by Yasuji Nakano at 18:16| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年01月25日

冬色のキャンバス

寒さが厳しくなる一月下旬、湖は果てしなく広い雪原へとその姿を変える。

青森県では一番広い湖の小川原湖。
どこまでも続く真っ白で平らな雪野原の風景はどこか遠い異国の地を想像させてくれる。

漁師たちの話によれば、正月に大雪が降ればその冬は全面凍結になるというが、2015年の冬は雪も少なかったせいか、湖面も凍っては消え、消えては凍るという繰り返しでついに湖全体が凍ることはなかった。

そんな冬の朝、寒い中で景色の移ろいをじっと眺めていると、竿に架けた網に朝日が射しこみ行儀よく長い影を描いていった。

普段の生活で見かける「人間の目」ではこのような影は気づきにくいかもしれないが、「写真の目」でとらえると影は重要な被写体となることが多い。

果てしなく広がる雪や氷の冬色のキャンバスに、壮大に影を描く光景が見られるのはここだけかもしれない。

DSC_4831.jpg

【写真説明】
2015年1月21日7時27分  東北町 小川原湖中央桟橋付近
伸びる影をメインに広がりのある奥行感を出すため、脚立を使って少し高い位置から撮影した。

タグ:小川原湖
posted by Yasuji Nakano at 15:42| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年01月22日

まだら模様の朝

太陽が昇るころを見計らって小川原湖へ出かけてみた。
全面凍結には程遠く、凍っては融け、融けてはまた凍るという繰り返し。
もしかしたら今年も小川原湖全体が凍るということは無いかもしれないと感じるようになってきた。
この日、岸辺に張った氷の紋様が美しかった。まだら模様が朝の青い世界で美しく見えたので、しばらくその様子を観察しながら撮影した。

風景写真を撮影している光景を見た人の目には、のんびりと向き合っているように見えるかもしれないが、撮影している本人からすれば、刻一刻と変化するシーンにいつも緊張しながら向き合っている。

いつが一番いいシーンだったのか。それは撮影が終わってみないとわからない。
だから「今か、今か」とずっと待っているのだろう。

DSC_0830-a.jpg

2016年1月14日撮影
posted by Yasuji Nakano at 16:37| Comment(0) | 湖畔の夜明け


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