2016年02月17日

伝説の夜明け

小川原湖キャンプ場に二人の女性像がある。
野辺地町出身の彫刻家小坂圭二作「小川原湖姉妹像」で、この湖にまつわる伝説の主人公である玉代姫と勝世姫をモチーフにしたものと思われる。

この像はキャンプ場の道路沿いに位置し、人目につきやすいことからいつも通るたびに気になっていた。
「この小川原湖のシンボルをどう撮ろうか」と。

彫刻だからもちろん動かない。だからどう撮影しても同じようしか写らない。
ならば、ということで背景を変えることで、この像から受け止めるイメージが変わってくると考え、夜明けの時間帯に何度か足を運んでみることにした。

風景写真は「行ったから撮れる」という保証は何も無い。だが、行かないことには絶対撮れないことも事実。だから何度も通うしかない。

この日、着いたときは空一面が厚い雲に覆われていたが、太陽が昇るころになるとその雲も途切れて、青空が見えるようになった。しばらくすると頭の上の雲は白くドラマティックに照らされ、二人のシルエットが美しく浮かび上がった。

2月の寒空に、手の感覚が無くなるような寒い、寒い朝のことだった。

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【写真説明】
2016年2月1日 7時15分  東北町 小川原湖キャンプ場
生命感が感じられる写真になるように、光と背景さらに像のアングルと構図に悩まされ4回足を運ぶこととなった。
タグ:小川原湖
posted by Yasuji Nakano at 14:02| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年02月03日

舞い降りた雲

小川原湖を何周もしたが、高い位置から湖面を見渡すことができる場所はかなり限定される。そんな中でこの湖畔橋からの景色は数少ない高い位置からの撮影ポイントであり、たびたびカメラを向ける人たちを見かける。

一月中旬、そろそろ氷が張るころと期待してその場所に行ってみた。だが岸辺にうっすらと雪が積もっただけで、湖面はまだ凍った様子も見られず私の期待は見事に裏切られた朝だった。

そもそも風景を撮るということは、自然現象をとらえることであって、自分の思惑どおりにはいかない。自分の目の前に繰り広げられる光景の中から、自分独自に感じとった絵を作っていかなければならないという基本的なことをつい忘れてしまう。

私は気持ちを建て直して、この場所でしばらく観察することにした。
時間が流れて太陽が昇りはじめたころ、突然水面に雲のようなものが現れた。
「け嵐」だ。
そしてそれは夜明けの太陽の光を浴びてだんだんと黄金色に輝き、まるで雲が水面に舞い降りたような独特な世界を創っていった。
なかなか見ることが出来ない突然の出来事を目の前に、私は全神経を集中してその世界に浸っていた。

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【写真説明】
2016年1月13日7時9分  東北町 小川原湖 湖畔橋
突然現れた黄金色のけ嵐。地平線が消えて湖面と空が一体となるこのシーンは、予測しなかっただけに感動も大きかった。
posted by Yasuji Nakano at 18:16| Comment(0) | 湖畔の夜明け

2016年01月25日

冬色のキャンバス

寒さが厳しくなる一月下旬、湖は果てしなく広い雪原へとその姿を変える。

青森県では一番広い湖の小川原湖。
どこまでも続く真っ白で平らな雪野原の風景はどこか遠い異国の地を想像させてくれる。

漁師たちの話によれば、正月に大雪が降ればその冬は全面凍結になるというが、2015年の冬は雪も少なかったせいか、湖面も凍っては消え、消えては凍るという繰り返しでついに湖全体が凍ることはなかった。

そんな冬の朝、寒い中で景色の移ろいをじっと眺めていると、竿に架けた網に朝日が射しこみ行儀よく長い影を描いていった。

普段の生活で見かける「人間の目」ではこのような影は気づきにくいかもしれないが、「写真の目」でとらえると影は重要な被写体となることが多い。

果てしなく広がる雪や氷の冬色のキャンバスに、壮大に影を描く光景が見られるのはここだけかもしれない。

DSC_4831.jpg

【写真説明】
2015年1月21日7時27分  東北町 小川原湖中央桟橋付近
伸びる影をメインに広がりのある奥行感を出すため、脚立を使って少し高い位置から撮影した。

タグ:小川原湖
posted by Yasuji Nakano at 15:42| Comment(0) | 湖畔の夜明け


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